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1986年に製作されたベトナム戦争を描いた映画「プラトーン」の最後の場面に使用された、サミエル・バーバー作曲の弦楽の為のアダージョの悲しいほどの美しさはどうでしょう。
この映画をはじめて見た時から、このメロディが耳から離れることがありませんでした。 映画「プラトーン」はベトナム帰還兵であるオリヴァー・ストーンがアメリカ軍の歩兵であった頃の実体験に基づき、戦争が引き起こす狂気と「正義」という名の下に行われる非人道的行為などの兵士らの赤裸々な姿を描いた映画です。『地獄の黙示録』に続きベトナム戦争を題材にした映画でアカデミー賞も受賞しています。出演した俳優は当時まだ無名に近い者が殆どを占め、予算も600万$と多くはなかったということです。 私が目に焼きついている場面は、ウィレム・デフォー演じる軍曹が共産軍のいるジャングルに置き去りにされ、敵軍からの一斉射撃で打たれて天を仰いで崩れ落ちる場面です。この場面をベトナムの陣地から飛び立ったアメリカのヘリコプターの上から、カメラが非情にも追ってゆくのです。スローモーションで撮影された残酷な場面にバーバーの悲痛なアダージョの音楽がかぶさり、見ている我々も言葉に出来ないほどの悲痛な思いが心に迫ってくるのでした。この場面を見ていて涙がぼろぼろ流れ落ちたのを忘れることが出来ません。 私はこれほど、悲痛でまた美しい音楽も知りません。以来この音楽を聴くたびにプラトーンの軍曹役をしたウィレム・デフォーの悲しい表情が浮かんできてしようがありません。 またこれほど、静かに戦争の恐ろしさ、戦争によって捻じ曲げられる人間の心の恐ろしさをまざまざと知らされる映画もありませんでした。 このような映画は他に「シンドラーのリスト」という映画とポーランドのユダヤ系のピアニストの映画「戦場のピアニスト」も思い出されます。シンドラのリストのテーマ音楽とショパンのノクターンの美しさはどうでしょう。 本来は恐ろしい戦争映画なのにテーマとする音楽の悲しいほどの美しさ、まるで神が深い悲しみに沈んでいるような気さえします。人間のおろかさ、残酷さ、底なしの欲望、あまりにも醜いので神が深く嘆いているのでしょうか。 これらの映画を見ていて、そう思わずにはいられませんでした。 余談ですが、バーバーのアダージョは確かケネディ大統領の葬儀のときに演奏されたと聞いた事があります。(レナード・バーンスタインの指揮で) あふれでる涙〜涙のクラシック・セッション オムニバス(クラシック) モンテカルロ・フィル バーバー ![]() プラトーン コレクターズ・エディション チャーリー・シーン オリバー・ストーン トム・ベレンジャー ![]() |
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2007-06-13 Wed 23:46
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| 夜想曲〜Nocturne〜 |
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